毛乳頭と毛母細胞の働き
育毛剤の育毛・発毛に対する作用などの記事を読んでいると、毛乳頭や毛母細胞という単語を目にすることがあり、それぞれが育毛・発毛に重要な働きをしていることが伺えます。
毛乳頭の働き
発毛・脱毛の司令塔
毛乳頭は、頭皮内の毛細血管と直接接しており、発毛や脱毛を司る機関です。
毛乳頭は、毛細血管内を通って流れてきた酸素やビタミン、水分などの栄養素や脱毛の原因となるテストステロンなどを受け取り、髪の毛の製造機関である毛母細胞に発毛または脱毛の指令を送ります。
毛母細胞に細胞分裂のシグナルを出して発毛を促す場合もあれば、逆に細胞分裂を抑制ずる脱毛指令を出して髪の成長を止めることもあります。
髪の毛の成長期であれば、通常は毛細血管から運ばれてきた酸素やビタミンやアミノ酸などの栄養素を受け取り、毛母細胞に発毛指令を与えますが、例えばAGA(男性型脱毛症)を発症してしまうと、毛細血管から運ばれてきたテストステロンが、毛乳頭細胞内に存在する5αリダクターゼと結合して悪玉男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)へと変貌します。
DHTは、毛乳頭細胞内にあるアンドロゲンレセプターと結びついて、TGF-βという脱毛因子であるタンパク質を産出します。
毛母細胞は脱毛因子を受けると髪の毛の製造を抑制して成長期の毛髪を退行期へと移行させます。
毛母細胞の働き
髪の毛の製造工場
毛母細胞は、毛乳頭を取り囲むように位置し、毛乳頭から栄養や指令を受けて、細胞分裂しながら増殖することで髪の毛をつくりだします。分裂した毛母細胞の一方は毛乳頭付近に残り、もう一方の分裂細胞が徐々に角質化し、毛髪を形成していきます。
髪の毛は角質化した毛母細胞の集まりそのものです。
エステによる永久脱毛は、この毛母細胞を破壊することで毛が生えてこないようにする施術ですが、毛母細胞を破壊するためには、何度も施術を受ける必要があります。それほど毛母細胞は丈夫にできています。
但し、毛母細胞も他の細胞と同じく加齢とともに弱まっていき、約40~50回の分裂で寿命が尽きてしまいます。AGAは早めの対策が有効と言われる所以です。
逆に毛母細胞が死滅すると、毛は生えてくることはありません。
この場合は、かつらや植毛、再生医療などに頼らなければなりません。
髪の毛への着色
また、毛母細胞は、髪の毛に色をつける働きにも関与しています。
毛母細胞が細胞分裂をしながら髪を造り出す際に、メラノサイトから黒髪のもとになるメラニン色素を受けとってもともと無色である髪の毛に色を付けます。
その結果、髪の毛は黒色となります。
白髪になるのは、何らかの理由でメラノサイトの働きが低下してメラニン色素がつくられなくなったり毛母細胞にメラニン色素が受け渡されなくなるためです。
毛乳頭・毛母細胞とキャピキシル
キャピキシルには、強い細胞修復作用による毛母細胞などの復元やAGAの原因に直接アプローチして抜け毛を抑制する効果があります。
さらにフィンジアに含まれているカプサイシンには、知覚神経を刺激して毛母細胞の活性化や、細胞の老化を防ぎ、育毛を促進するシグナル(IGF-1)の生成を促進させる働きがあると考えられています。
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